足立区のペアレントメンターが開催した勉強会に参加してきました。
テーマはタイトルにあるように「親なきあと」に向けて今できること。
お子様が重度の知的障害を持つという、行政書士・社会保険労務士の渡部伸さんが、
様々なサポートを詳しく教えて下さいました。
親にとって子どもは宝。毎日考えない日はありません。
お子さんと一緒に生活している親御さん、発達障がいや知的障がいにより自立に課題のあるお子さんを持つ親御さんはとくに、自分の死後子どもが生きていけるかどうか常に心配しています。
・自分で生活していけるだろうか…
・お金はどうしていくのだろう…
・いっそ一緒に死んでしまおうか…
これらは決して大袈裟に言っているのではなく、本当の心の声です。
「親なきあと」の課題は3つあるそうです。
①お金で困らないための準備をどうするか
②生活の場をどこに確保するか
③日常生活のフォロー 困ったときの支援はどうなるのか
ためになる情報がたくさんありましたので、数回に分け、勉強会の内容をできるだけ正確にシェアできたらと思います!
①お金で困らないための準備
【子どもの収入と支出を把握する】
お金は多いに越したことはありませんが、子どもが何歳まで生きるか分からず、生活が日々進化して行くこの時代に、いくら残すという具体的数字を予想する事は困難です。収支と支出を知り、使われる仕組みを準備する事が大切です。
●収入について
<給与 工賃>
事業所雇用者の平均賃金月収→知的障がい者11.8万円 精神障がい者12.9万円
就労支援A型67795円 就労支援B型15033円
<障害基礎年金>
2級 年額780100円 1級975125円(2019年7月の時点)
他各自治体の手当がある場合も!
●支出について
暮らしの場によって生活費は異なる
<入所施設>
一定のお金が残るように設計されている
<グループホーム>
基本は障害年金でまかなえるようになっている ※ただし助成金の差が大きいので要確認
(例1)収入:障害年金2級6.5万+福祉手当1.6万=8.1万
家賃助成:国、都、区で5.4万 合計13.5万
支出:家賃7万+食費、光熱水費、日用品=11.5万 2万円残る
(例2)収入:障害年金2級6.5万
家賃助成:国のみ1万 合計7.5万
支出:家賃1.8万+食費、光熱水費、日用品=4.6万 2.9万残る
<賃貸住宅>
家賃に対する金銭的な助成措置はないが、入居に必要な支援を行う居住サポート事業あり
<かならずかかる固定費>
健康保険料と介護保険料/水道光熱費/税金/通信費/交通費/生命保険/携帯電話料金/NHK受信料
●減免措置や支援制度について
<医療>
高額療養費制度/自立支援医療(精神通院医療)/障害者医療費助成制度がある
※ただし障害者医療費助成制度は保険診療のみ対象。入院へのリスクを考慮するなら障がい者も入れる医療保険への加入を!
<NHK受信料>
一人暮らしで本人契約の場合のみ免除できる。
悪用を防ぐためNHKに直接問い合わせても詳細は教えてもらえない。
各市町村の役所で障がい者証明を行った人のみ、詳細が記載されている資料をもらえる。
その他障害者割引を使える施設も多くあります。
具体的に収入と支出を挙げてみると、案外固定費が多いなど、何に一番お金がかかるのかが見えてきます。月いくら分足りないのかが分かり、残すお金の目安になりますね。実はお金の受け取り方にも工夫がいるのです。次回はお金を受け取る仕組みについてお話ししていきます。
渡部伸さんの書籍はこちら↓
2コメント
2019.11.25 02:19
2019.11.22 07:00