今日は自閉症スペクトラム(ASD)の特徴について掘り下げてお話ししていきます。
ASDとは、自閉症、高機能自閉症、アスペルガー症候群などの総称です。“発達障がい3つのグループ”でもお話ししましたが、「感覚に特異性があり、五感が極度に敏感あるいは鈍感」という特徴があります。
では自閉症の感覚はどのようなものなのでしょうか
定型発達(障害のない人)は、雨が体に当たっても特に何も感じません。しかし触覚が敏感な自閉症の方の中には、雨が『痛い!』と感じる場合があります。お風呂やプールに入る時には平気でも、シャワーは雨のように水の勢いがあるので痛みを感じてしまいます。自閉症の症状は人それぞれで、雨は平気でも風が当たると痛みを感じる方もいます。
しかし似たような特徴が見られるのは、毛穴が感覚過敏で体中から痛みを感じやすいという点です。髪の毛や体毛は毛穴を通して出てくるもの。爪も体から伸びているものですから、毛穴が感覚過敏の方は、髪や爪を切る時に体を切られる恐怖や痛みを感じてしまいます。
また、ある方は嗅覚が敏感でプールの消毒液の匂いが何倍にも感じ、キッチンハイターの中に入っているような感覚になります。
このような感覚は生まれつきで本人にはこれが日常です。定型発達の人が『雨は冷たいだけ』『爪を切っても痛くない』という感覚が当然であるのと同じです。その為、自分の症状が特別だから助けてほしいと説明できない場合が多いのです。
周りの人が、自閉症の方がどのような気持ちなのか想像できると少し関わり方が変わってくるのかもしれません。
参考文献:自閉っ子、こういう風にできてます!ニキ・リンコ×藤家寛子 花風社
0コメント