児童相談所の機能・2

前回は児童相談所の4つの機能のうち、市町村援助機能と相談機能についてお話ししました。

今回は一時保護機能と措置機能についてお話しします。


③一時保護機能

児童相談所長が必要と認める場合、一時保護所または適切な場所に委託して子どもを一時保護する事ができます。一時保護は原則として2ヶ月を超えてはいけません。一時保護は以下のような場合に行われます。

●緊急保護

・子ども、保護者に宿所がない為に緊急に子どもを保護する必要がある場合

・虐待、放任などの理由で家庭から一時引き離す必要がある場合

・子どもの行動が生命、身体、財産に危害を及ぼす場合

●行動観察

・子どもの様子の観察、または心理面での援助や日常生活の指導が必要な場合

●短期入所指導

・短期間の心理療法、カウンセリング、生活指導などが有効な場合であり、地理的に遠隔、または子どもの性格、環境の条件により、他の方法による援助が困難または不適当であると判断される場合


一時保護に関しては、心理的な面を含めて本当に子どもの助けになるのか疑問の声も上がっています。しかし保育士目線で言わせて頂くと、保護者が『もう限界!これ以上関わったら叩いてしまう!』と心の悲鳴を上げていた場合、一時保護所はとても心強い存在になると思います。ただし一時保護所から戻ってきた後には、親も周りの大人もその子の心のケアに相当な力を注ぐ必要があるでしょう。




④措置機能

児童福祉法において県、または児童相談所が実施する行為(行政処分)のことです。以下の方法があります。

●児童福祉司指導措置等

児童福祉司などによる子どもや保護者への指導の実施や、保護者に訓戒を与え誓約書を提出させる事ができる

●施設入所措置

子どもを乳児院、児童養護施設などに入所させる事ができる

●里親委託措置

子どもを里親に委託する事ができる


実際のところ児童養護施設に入れる子はほんのひとにぎりだそうです。一時保護所も児童養護施設も、施設や費用、人手が足りていないのが現状。どんなに通報があっても、警察からの相談があっても、措置の受け入れ先がなければ保護者と相談したうえで帰宅して頂くしかありません。法律で決められたシステムと、それを可能にできない現実があります。措置施設を増やすのも大切ですが、早い段階で子どもの事相談をする、自分以外の家族の事も自分事として一緒に考えるなど見えない配慮も必要なのではないかと思います。


多様な文化が新しい未来を創る

バラエティ豊かな発想力を持つ人や、様々な文化を持つ人達。 そのような人達がいたからこそ、新しい時代が築かれてきました。 しかしながら他人と異なる価値観や概念を持っている人達は、生きづらさを感じて生活しているのも事実です。 このサロンは、様々な個性を持つ人も、共に心地よく過ごすにはどうすれば良いかを考えるグループです。 発達障がい・LGBTQ・在日外国人など当事者と一緒に考えて行きます。

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