児童養護施設では18歳になると施設を出なくてはならないというお話ししました。18歳だと中には高校を卒業していない子もおり、完全に自立をするのはまだ難しいでしょう。とある児童養護施設で、行政側の制度改革のおかげで18歳から20歳まで施設で生活できるようになると聞きました。18歳の子ども達にも、我が子のように先を心配している職員にも大変ありがたい話です。
しかしそれを現実にするには手間と時間がかかります。なぜなら、ただ年齢の上限を上げれば良いのではなく、施設側から『18歳~20歳までの支援』という新しい事業を立ち上げるという申請が必要だそうです。また施設の定員数も問題になっています。18歳~20歳まで住むとなると、その分新しい受け入れはできなくなります。一時保護所の受け入れは200%。実際児童相談所からの受け入れ要請があっても、児童養護施設で長期に亘って生活している子が多い為受ける事はできません。行政側からより良い制度の改革があっても、現実が追いつかなければ意味がありません。現状の問題を解決する制度の改革は絶対に必要ですが、それだけでは堂々巡りです。
施設を増やせば良いのか、他福祉サービスの費用を回せば良いのか。問題点を遡れば、親元で子どもが健全に育つ事が解決の糸口だと見えてきます。親の心のケアができるのは行政だけでなく実際に暮らしている私達です。友だち、近所、スーパーで会った人など『だいじょうぶですか?何か手伝いましょうか?』と一言声を掛けるだけでも、子育てしやすい空気を作る事ができるかもしれません。
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