今日は発達障がいの特徴としてよく挙げられる『不注意で気が散りやすい』面について、モンテッソーリ教育でどのようにアプローチをしているのかお伝えして行きます。
『不注意で気が散りやすい』背景にはいろいろな理由があります。例えば感覚過敏のせいで他人が鉛筆で書いている小さな音が気になったり、体のどこかが動いていないと落ち着かなかったりします。感覚器官へのアプローチについては『モンテッソーリ教育 発達障がいに役立つ理由2』をご覧ください。
モンテッソーリ教育の大きな特徴の一つに「環境設定」というものがあります。大人が個々の子どもをじっくり観察し、一人ひとりに合った環境設定をしています。周りの動きが気になってしまう子には仕切りや別部屋など区画された空間を用意したり、一休みしたい子が休憩できる絵本コーナーが設定されていたりします。
「たくさんの選択肢から好きな活動を選べる」というのも環境設定の一部です。モンテッソーリ教育が行われている現場に行くと、沢山の玩具(用具・教具)用意されている事に驚かされます。どんな事に興味を持っているか本人が活動してみないと分かりませんし、成長によって興味も変わっていきます。自分の好きな事を見つけ、その活動に満足いくまで取り組めるようたくさんの選択肢が用意されています。発達障がいを持つ子は、好きな事に対してものすごい集中力を見せます。いつも周りの動きが気になる子でも、集中している時には全く気にならないようです。
ルールも大切な環境設定です。「人の活動に勝手に触れない」「室内は歩く」「部屋では大きな声を出さない」などの基本的なルールが徹底して守られており、お互いの活動を尊重する環境が守られています。子どもがそんなルール守れるの?と思われる方もいるかもしれません。子ども達は自分の好きな活動に満足いくまで取り組める事が分かると、これらのルールが自然と身に付いていくのです。
このように教育内容だけでなく、環境面でもモンテッソーリ教育は発達障がいの子に向いています。モンテッソーリ教育は家庭でもできます。お子様がどうも気が散って仕方がないといった場合、少し離れてその原因を探ってみて下さい。部屋の隅に静かな区画されたスペースを作るだけで、安心できる空間ができるかもしれません。
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