『子どもの家』でのモンテッソーリ教育

障がい児の治療から始まったモンテッソーリ教育

1907年に建てられた『子どもの家』ではどのような環境が用意されていたのでしょう。


●子どものサイズに合った家具

当時の学校は、机やいすが床に固定されており、全員が同じサイズのものを使わなくてはなりませんでした。体が痛くなるような環境で長時間、教師の話を聞かなくてはなりません。『子どもの家』では様々な種類の椅子が置かれました。木製・籐製・ひじ掛けのある椅子・小さな椅子。見た目が美しく子どもが座りやすい高さに作られています。テーブルは軽く、4歳の子ども2人で運べる物や、ひとり用も用意されていました。食器棚もは低く軽いもの、洗面台も低くブラシや石鹸が置ける台が付いていました。


●自由な環境

通常の学校だと、何十分も教師の話を座ったまま聞かなくてはなりません。話をすれば叱られます。そして大人の許可がない限り食器棚に触る事など許されません。『子どもの家』では自ら動き、好きな物に触れる環境が許されていました。好きなテーブルと椅子を持ってきて使っても良し、洗面所で手を洗うのも良し。食器棚から食器を出して使用する事も許されますし、錠前が掛かっている扉はいつでも鍵を持ってきて開ける事もできます。もちろん部屋にある玩具(用具・教具)も自由に使えます。このような自由が、時間を問わずいつでも許されていました。


●魅力的な環境

子ども達は、見た目が美しいものや本物の素材でできた物は大切に扱います。部屋は常に清潔に保たれており、片付ける場所が常に決まっています。壁にはラファエロの椅子の聖母の絵画。子どもの手の届く黒板には優しい絵や動物、自然物の絵が置かれました。歴史画や宗教画も飾られています。金魚鉢なども置かれ、生き物に触れる機会もありました。食器やグラスなどは、陶やガラスなど本物です。だからこそ本能的にに慎重に扱います。


皆さんのお子さまの部屋はどうでしょうか。整理整頓がなされていますか。物を片付ける場所は明確でしょうか。子どもは『自由』を任せられる事で自尊心を高めます。また主体的に物事に取り組み、失敗を繰り返す事で学びます。もう一度、部屋の環境を見直してみるのも良いかもしれませんね。



参考文献:子どもの発見 マリア・モンテッソーリ著 中村勇訳

多様な文化が新しい未来を創る

バラエティ豊かな発想力を持つ人や、様々な文化を持つ人達。 そのような人達がいたからこそ、新しい時代が築かれてきました。 しかしながら他人と異なる価値観や概念を持っている人達は、生きづらさを感じて生活しているのも事実です。 このサロンは、様々な個性を持つ人も、共に心地よく過ごすにはどうすれば良いかを考えるグループです。 発達障がい・LGBTQ・在日外国人など当事者と一緒に考えて行きます。

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