写真:https://www.didagiochi.com/2016/11/22/applicare-il-metodo-montessori-a-casa/
前回はモンテッソーリの『子どもの家』の環境についてお話しし、子どもが主体的に動ける自由な環境が真の学びの場である事はご理解頂けたのではないかと思います。しかし、どんなに環境が充実していても、物の扱い方などは手本がないと分かりません。ここで大人の役割が必要になってきます。教師はどのように子どもに関わっていたのでしょう。
●観察と環境の整備
『子どもの家』では教師が一方的に教え込む事はしません。子ども達が主体的に関わる事で身体的・精神的学びが得られると知っているからです。教師は子ども達が何かに取り組んでいる姿を注意深く観察します。何に興味を持っているのか、本能的にどのような発達を獲得したいのかを見極めます。その観察の先に、子どもの発達欲求に見合う玩具(用具・教具)や環境を用意して行きます。
●提示
子ども達は初めて見たものの扱い方を知りません。ティーポットの使い方、花の水切りの仕方、その時に使うはさみやブラシの使い方など想像もできません。正しい使い方を知らないが故、投げたり曲げたりしてしまうのです。大人は道具の正しい扱い方を見せる必要があります。子どもは脳に伝わる情報の処理速度がゆっくりなので、手本もゆっくりと見せます。また、使える言葉数が少ない子どもに、たくさん説明をすると混乱してしまいます。言葉数は最小限、一貫したやり方を見せるうちに子どもは扱い方を覚えてきます。このように、子どもの身体的発達や脳発達の知識を知っておく事も大人の大切な役割です。
子どもと関わる時の大人の役目、決してモンテッソーリ教育だけのものではないと思います。子どもが物を乱暴に扱った時すぐに怒っていませんか?本当は正しい扱い方を知らないだけなのかもしれません。
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