今日は発達障がいの特徴で挙げられる『一つの物事に強い集中を見せる』事へのモンテッソーリ教育のアプローチについてお話しします。
始めに伝えておきたいのが『一つの物事に強い集中を見せる』というのは誇るべき点だという事です。集中力は本来誰でも持っている能力ですが、発達障がいの方は本能的な欲求が強く健常者よりも集中・こだわりが強く出る傾向があります。発達障がいの方が見せるこだわりや集中力は人より飛びぬけており、このおかげで世の中が発展した例も少なくないと思います。
『一つの物事に強い集中を見せる』のにはどのような背景があるのでしょう
①感覚的・生理的に「こうでないと気持ちが悪い」とい気持ち
②好きな事へ夢中になること
①についてもう少し掘り下げて考えてみましょう。発達障がいの方は同じ種類の服を着ていたり、同じ場所に決められた物を置くと安心する傾向があります。乳幼児期の子ども達にも同様の特徴が見られます。同じ形の葉っぱを綺麗に並べていたり、ミニカー同じ種類ごとに並べたり…その一つを動かされたりするとすごく怒りますよね。
これは人間が本能的に法則的なものを求める機能を持っているからです。地球が回る周期、時間、花びらや葉の数、フィボナッチ数列、遺伝子など…私達は様々な法則性と共に生きています。自然の一部である人間が法則性を求めるのは生きる力を身に付けるのと同じ事です。様々な物を規則性に則って並べたり分類する事で、物事の法則を体で覚えたり、その本質を意識的に考えるようになります。その結果身の回りのルールに気付いたり、先を見据えられるようになり、知識へと繋がって行くのです。
モンテッソーリ教育の現場では環境設定を大切にしており、乳幼児が本能的に安心する空間作りをしています。家具の場所はあまり変えず、玩具(用具・教具)はいつも同じ場所に置いてあります。玩具は種類ごとに分けられ決められた棚に整頓。生活リズムや時間も毎日できるだけ同じようにしています。石を並べる、おもちゃの仲間分けをするなど大人からすると謎の行為も、子ども達が本能的に集中している活動は好きなだけ取り組む事が許されています。こだわりの先に知識が生まれる事を知っているからです。
「とはいえ、そんな環境ばかりで生きていく事などできない」と思われる方もいらっしゃると思います。その通り、常に整頓されている環境ばかりで生きてはいけません。しかし本能的な働きが強い時期には、まずその欲求を満足させる事が優先です。本人が満足すれば、新しい環境やイレギュラーな出来事にも自然と対応できるようになります。
『集中』はモンテッソーリ教育の核と言って良い部分です。一回ではお話ししきれませんので、つづきはまた次回お伝えしますね♪
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2019.09.20 05:53
2019.09.20 05:38