モンテッソーリ教育 発達障がいに役立つ理由4-Ⅰ

今日は発達障がいの特徴で挙げられる『一つの物事に強い集中を見せる』事へのモンテッソーリ教育のアプローチについてお話しします。

始めに伝えておきたいのが『一つの物事に強い集中を見せる』というのは誇るべき点だという事です。集中力は本来誰でも持っている能力ですが、発達障がいの方は本能的な欲求が強く健常者よりも集中・こだわりが強く出る傾向があります。発達障がいの方が見せるこだわりや集中力は人より飛びぬけており、このおかげで世の中が発展した例も少なくないと思います。


『一つの物事に強い集中を見せる』のにはどのような背景があるのでしょう
①感覚的・生理的に「こうでないと気持ちが悪い」とい気持ち
②好きな事へ夢中になること


①についてもう少し掘り下げて考えてみましょう。発達障がいの方は同じ種類の服を着ていたり、同じ場所に決められた物を置くと安心する傾向があります。乳幼児期の子ども達にも同様の特徴が見られます。同じ形の葉っぱを綺麗に並べていたり、ミニカー同じ種類ごとに並べたり…その一つを動かされたりするとすごく怒りますよね。


これは人間が本能的に法則的なものを求める機能を持っているからです。地球が回る周期、時間、花びらや葉の数、フィボナッチ数列、遺伝子など…私達は様々な法則性と共に生きています。自然の一部である人間が法則性を求めるのは生きる力を身に付けるのと同じ事です。様々な物を規則性に則って並べたり分類する事で、物事の法則を体で覚えたり、その本質を意識的に考えるようになります。その結果身の回りのルールに気付いたり、先を見据えられるようになり、知識へと繋がって行くのです。


モンテッソーリ教育の現場では環境設定を大切にしており、乳幼児が本能的に安心する空間作りをしています。家具の場所はあまり変えず、玩具(用具・教具)はいつも同じ場所に置いてあります。玩具は種類ごとに分けられ決められた棚に整頓。生活リズムや時間も毎日できるだけ同じようにしています。石を並べる、おもちゃの仲間分けをするなど大人からすると謎の行為も、子ども達が本能的に集中している活動は好きなだけ取り組む事が許されています。こだわりの先に知識が生まれる事を知っているからです。


「とはいえ、そんな環境ばかりで生きていく事などできない」と思われる方もいらっしゃると思います。その通り、常に整頓されている環境ばかりで生きてはいけません。しかし本能的な働きが強い時期には、まずその欲求を満足させる事が優先です。本人が満足すれば、新しい環境やイレギュラーな出来事にも自然と対応できるようになります。


『集中』はモンテッソーリ教育の核と言って良い部分です。一回ではお話ししきれませんので、つづきはまた次回お伝えしますね♪

多様な文化が新しい未来を創る

バラエティ豊かな発想力を持つ人や、様々な文化を持つ人達。 そのような人達がいたからこそ、新しい時代が築かれてきました。 しかしながら他人と異なる価値観や概念を持っている人達は、生きづらさを感じて生活しているのも事実です。 このサロンは、様々な個性を持つ人も、共に心地よく過ごすにはどうすれば良いかを考えるグループです。 発達障がい・LGBTQ・在日外国人など当事者と一緒に考えて行きます。

2コメント

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  • Naoko N

    2019.09.20 05:53

    素敵なコメントありがとうございます😊 私達は皆どこかの面でマイノリティなのだと思います。ただし脳機能やホルモンバランスなど本人ですらコントロールできない辛さがあるのも事実なので、知識を持っておくことは必要なのだと思います。 Tetsuさんの様な柔軟な考えの方がいて下さると、少数派は生きやすくなりますし、私自身とても励みになります!
  • Tetsu

    2019.09.20 05:38

    これからマイノリティについて勉強しようと思います。 こちらのサイトはとても解りやすい説明で私のような知識のないものでも入りやすいです。 「一つの物事に強い集中を見せる」ってごく当たり前のことですね。なんか健常者と発達障がいの方の差はだだの個体差なのではなんて思えてきました。 まずは健常者がマイノリティについて正しい知識を付け、そしてお互い共存していく方法を広げていけたら良いなと思いました。